【徹底解説】カーボンクレジットの主要な方法論(カテゴリー編)

はじめに:プロジェクトの「設計図」、その種類を知ろう

カーボンクレジットの信頼性は、「方法論(Methodology)」という、詳細なルールブックによって支えられています。

方法論とは、VerraやGold Standardといった認証機関が、プロジェクトの種類ごとに、「CO2削減・吸収量を、どのように測定・計算し、報告すべきか」を定めた、科学的な「設計図」です。

この方法論は、非常に多岐にわたりますが、大きくいくつかの「カテゴリー」に分類することができます。

今回は、個人投資家が知っておくべき、主要な方法論のカテゴリーを概観し、それぞれの特徴を解説します。

これを知れば、プロジェクトの多様な世界が、より体系的に理解できるはずです。

主要な方法論カテゴリー

1. 森林・土地利用 (Forestry and Land Use)

最もポピュラーで、直感的に理解しやすいカテゴリーです。

森林の持つ、炭素を吸収・貯蔵する能力を活用します。

  • 主な方法論

    REDD+:森林減少・劣化の抑制(森を守る)。

    A/R (Afforestation/Reforestation):植林・再植林(森を増やす)。

    IFM (Improved Forest Management):持続可能な森林管理(森を賢く使う)。

    ALM (Agricultural Land Management):農業土地管理(土壌に炭素を貯める)。

  • 特徴:生物多様性の保全や、地域社会への貢献といった「コベネフィット」が大きいプロジェクトが多いのが魅力です。

    一方で、その効果の永続性(火災リスクなど)や、測定の難しさが課題となることもあります。