はじめに:夢の「エコ素材」?その、光と、影
プラスチックごみによる、海洋汚染が、深刻化する中、その、解決策の、一つとして、大きな期待を、集めているのが、「バイオプラスチック」です。
「植物由来だから、環境に、優しい」。
「土に、還るから、ごみにならない」。
そんな、クリーンな、イメージが、ありますが、その、実態は、もう少し、複雑です。
「バイオプラスチック」と、一括りに、されるものの中には、性質の、異なる、いくつかの、種類が、あり、それぞれに、メリットと、そして、見過ごされがちな「課題」も、存在します。
今回は、この、バイオプラスチックの、種類と、その、本当の実力について、冷静に、見極めていきましょう。
バイオプラスチックの、2つの「軸」と、4つの「分類」
バイオプラスチックは、主に、2つの「軸」で、分類することができます。
- 原料が、何か?(バイオマス由来か、石油由来か)
- 使用後に、どうなるか?(生分解性を持つか、持たないか)
この、二つの軸を、組み合わせると、バイオプラスチックは、大きく、4つのタイプに、分類されます。
タイプ1:「バイオマス由来」で「生分解性」を持つ、プラスチック
- 例:PLA(ポリ乳酸)、PHA(ポリヒドロキシアルカン酸)など。
トウモロコシや、サトウキビなどの、植物を、原料とし、特定の、条件下(コンポスト施設など)で、微生物によって、水と、二酸化炭素に、分解されます。
- 理想的な、姿:これが、多くの人が、イメージする「土に還る、植物由来のプラスチック」です。
カーボンニュートラル(原料の植物が、成長過程でCO2を吸収)であり、廃棄物問題の、解決にも、貢献します。
タイプ2:「バイオマス由来」だが「生分解性」を、持たない、プラスチック
- 例:バイオPET、バイオPE(ポリエチレン)など。
サトウキビなどを、原料として、作られますが、その、化学的な構造は、従来の、石油由来の、PETや、PEと、全く、同じです。
- メリット:化石燃料の、使用を、削減し、カーボンニュートラルに、貢献します。
また、既存の、リサイクル施設で、通常の、PETボトルと、一緒に、リサイクルできます。
- 課題:自然界では、分解されないため、ポイ捨てされれば、通常の、プラスチックごみと、同じように、環境中に、残り続けます。
タイプ3:「石油由来」だが「生分解性」を、持つ、プラスチック
- 例:PBAT、PCLなど。
原料は、石油ですが、特殊な、化学構造を持つため、土の中などの、条件下で、微生物によって、分解されます。
- メリット:プラスチックごみ問題の、解決に、貢献します。
(特に、農業用の、マルチフィルムなど、回収が、困難な、用途で、期待されています。
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