はじめに:全ての「仕事」は、気候変動と、無関係では、いられない
「グリーン・ジョブ」という、言葉が、あります。
これは、再生可能エネルギーや、省エネといった、環境分野の、専門的な職業を、指すことが多いです。
しかし、気候変動の、影響が、社会の、あらゆる側面に、及ぶ、今、もはや、どんな「仕事」も、気候変動と、無関係では、いられません。
そこで、より、広く、全ての、働く人々が、自らの仕事の中に、気候変動への、配慮を、組み込み、社会全体の、脱炭素化に、貢献していく、という、新しい、働き方の、概念が、生まれています。
それが、「クライメート・ワーク(Climate Work)」です。
今回は、この、これからの、働き方の、新しい「当たり前」について、考えてみましょう。
クライメート・ワークの、2つの側面
クライメート・ワークには、大きく分けて、二つの側面が、あります。
側面1:気候変動の、課題解決を「直接」の、目的とする仕事
これは、私たちが、これまで、学んできた、気候変動分野の、専門的なキャリアです。
- 再生可能エネルギーの、エンジニア
- カーボンクレジットの、トレーダーや、アナリスト
- 企業の、サステナビリティ担当者
- 気候科学の、研究者
- 環境法の、専門家
これらの仕事は、社会の、脱炭素化を、直接的に、リードする、重要な役割を、担います。
側面2:既存の、あらゆる仕事に「気候の視点」を、組み込む仕事
より、重要で、大きなインパクトを、持つのが、こちらの側面です。
全ての、働く人が、自分の、専門分野や、日常業務の中に、「気候のレンズ」を通して、物事を、考え、行動することです。
- マーケティング担当者なら:自社製品の、環境性能を、消費者に、分かりやすく、誠実に、伝え、グリーンウォッシュに、陥らない、コミュニケーションを、設計する。
- 経理・財務担当者なら:インターナル・カーボンプライシング(ICP)の、導入を、支援し、企業の、投資判断が、気候変動リスクを、考慮したものになるように、働きかける。
- 人事担当者なら:従業員の、気候リテラシーを、高めるための、研修プログラムを、企画したり、従業員の、エコな通勤(自転車通勤など)を、奨励する、福利厚生制度を、作ったりする。
- ITエンジニアなら:自社が、利用する、ソフトウェアや、クラウドサービスが、環境負荷の少ない、グリーンな、データセンターで、稼働しているかを、チェックする。
- レストランの、シェフなら:メニューに、地産地消の、旬の食材や、プラントベースの、選択肢を、積極的に、取り入れ、食品ロスを、減らす工夫を、する。
なぜ、クライメート・ワークは、重要なのか?
気候変動という、社会全体の、システムに関わる、大きな課題は、一部の「専門家」だけの、努力では、決して、解決できません。
社会を、構成する、私たち、一人ひとりが、それぞれの、持ち場で、それぞれの、役割の中で、気候変動を「自分ごと」として、捉え、行動を、少しずつ、変えていくこと。
その、無数の、小さな変化の、集合体こそが、社会全体の、大きな、変革を、生み出す、原動力となるのです。