はじめに:小さなビジネスが、大きな未来を動かす
フリーランスや小規模事業者として、情熱を持ってビジネスに取り組むあなた。
その活動は、社会に新しい価値を提供する、尊いものです。
しかし、同時に、PCの使用、クライアントとの打ち合わせのための移動、商品の発送など、事業活動を通じてCO2を排出しているのも事実です。
「自分のビジネスも、環境に配慮したサステナブルなものにしたい」。
そんな意識の高いあなたのために、カーボンクレジットを活用して、事業活動をカーボンニュートラルにするための、具体的で、実践的なステップをご紹介します。
ステップ1:事業の「カーボンフットプリント」を算定する
まずは、あなたの事業が、年間でどれくらいのCO2を排出しているかを「見える化」します。
難しく考える必要はありません。
主に以下の項目について、年間の数値を大まかに把握しましょう。
- オフィスの電気使用量:自宅兼オフィスの場合は、事業で使用している割合(例:30%)を按分します。
- 移動に伴う排出:クライアント訪問や出張で利用した、電車、飛行機、自動車の移動距離。
- 通信・サーバー代:ウェブサイトやオンラインストレージの利用も、データセンターで電力を消費しています。
(これはScope3排出に分類され、算定は難しいですが、意識することが重要です。
)
- 商品の仕入れ・発送:商品を扱っている場合は、その輸送距離や梱包材。
ウェブ上の計算ツールなどを参考に、まずは概算値を出してみましょう。
ステップ2:できる範囲での「削減努力」をアピールする
オフセットの前に、自社でできる削減努力を実践し、それを顧客や取引先にアピールすることも大切です。
- 再生可能エネルギー由来の電力プランに切り替える。
- オンライン会議を積極的に活用し、不要な移動を減らす。
- 発送時の梱包材を、環境配慮型のものに見直す。
- ウェブサイトなどで、「当事業所は、サステナビリティを重視し、CO2削減に努めています」と宣言する。
ステップ3:残りの排出量を「クレジット」でオフセットする
ステップ1で計算した年間排出量から、ステップ2の努力で削減できた分を差し引き、残った「避けられない排出量」を、カーボンクレジットを購入してオフセットします。
購入するクレジットは、あなたの事業内容や理念に合ったものを選びましょう。
例えば、クリエイティブな仕事なら、生物多様性保全に繋がるプロジェクトを。
地域密着のビジネスなら、国内のJ-Creditを選ぶ、などです。
ビジネス上のメリットは?
事業をカーボンニュートラルにすることは、単なるコストや自己満足ではありません。
- 企業価値・ブランドイメージの向上:取引先や顧客に対して、環境問題への意識の高さと、社会的責任へのコミットメントを示すことができ、信頼性が向上します。
- 新しい顧客層へのアピール:サステナビリティを重視する、意識の高い顧客層に、あなたのビジネスが選ばれる理由になります。
- 競合との差別化:多くの小規模事業者がまだ取り組んでいない今だからこそ、カーボンニュートラルという付加価値は、強力な差別化要因となります。
まとめ:あなたのビジネスに、新しい「価値」を
個人事業主やフリーランスは、その身軽さゆえに、大企業よりも迅速に、新しい価値観をビジネスに反映させることができます。
あなたのビジネスに、「カーボンニュートラル」という、未来志向の価値を加えてみませんか?
それは、地球の未来に貢献するだけでなく、あなたのビジネスそのものを、より強く、より魅力的なものへと成長させる、賢明な「事業投資」でもあるのです。