はじめに:そのイメージ、本当に合っていますか?
カーボンクレジットへの関心が高まる一方で、その仕組みや価値について、誤った情報や、誤解に基づいたイメージが広まっていることも少なくありません。
「どうせ、お金持ちの道楽でしょ?
」「企業が免罪符として買っているだけでは?
」。
そんな、よくある誤解を一つ一つ取り上げ、そのウソとホントを、Q&A形式で分かりやすく解説していきます。
正しい知識が、あなたの迷いを確信に変えるはずです。
よくある誤解と、その真相
【誤解1】カーボンクレジットは、企業の「免罪符」に過ぎない。
A. 半分ホント、半分ウソ。
ウソの側面:確かに、企業が自社のCO2削減努力を怠り、安易にクレジット購入だけで「環境に配慮しているフリ(グリーンウォッシング)」をする、という批判は存在します。
そうした企業は、いずれ投資家や消費者から見抜かれ、信頼を失うでしょう。
ホントの側面:しかし、多くの真摯な企業にとって、クレジットは「免罪符」ではなく、「どうしても削減しきれない排出量」を埋め合わせるための、合理的で不可欠な手段です。
例えば、航空会社が飛行機のエンジンをすぐにゼロエミッション化するのは不可能です。
自社努力を最大限行った上で、残った排出量をクレジットでオフセットすることは、責任ある行動と言えます。
また、その購入資金が、途上国の新しいCO2削減技術を育てている、という事実も見逃せません。
【誤解2】どうせ、効果なんてないんでしょ?
A. ウソです。
信頼できる認証機関(Verra, Gold Standardなど)が認証したクレジットは、専門家による厳格な審査を経ており、そのCO2削減効果は科学的な根拠に基づいて測定・検証されています。
「追加性」(クレジットがなければ、その削減は行われなかったこと)の概念も、その効果を本物にするための重要な要素です。
効果のないプロジェクトのクレジットは、そもそも信頼できる市場では取引されません。
「どのクレジットを選ぶか」が重要なのであり、仕組み自体に効果がない、というのは誤りです。
【誤解3】個人が買っても、焼け石に水。意味がない。
A. ウソです。
確かに、個人の購入量は、企業に比べれば小さいかもしれません。
しかし、そこには二つの大きな意味があります。
- 市場へのシグナル:「個人も、環境価値を求めている」という明確な意思表示となり、より多くの企業やサービスが、個人向けのクレジット販売やオフセットの仕組みを導入するきっかけになります。
- 民主的な市場形成:個人の多様な価値観が市場に反映されることで、画一的なプロジェクトだけでなく、小規模でもユニークで、地域社会に密着した素晴らしいプロジェクトが評価されるようになります。
あなたの「一票」が、市場をより豊かで、民主的なものに育てるのです。
【誤解4】結局、一部の人が儲けるための投機的な商品だ。
A. 半分ホント、半分ウソ。
ホントの側面:将来的な価格上昇を期待して、投資(投機)目的で売買されている側面は、確かにあります。
これは株式や他の金融商品と同じです。
ウソの側面:しかし、カーボンクレジットの最も本質的な価値は、金融商品である前に、「地球の気候変動を食い止める」という、世界共通の目的を達成するためのツールである、という点です。
その根底には、環境保全や社会貢献という、明確な「実需」が存在します。
その価値に共感し、純粋な貢献として購入している参加者が、市場の大きな部分を支えているのです。
まとめ:正しい理解で、自信を持って参加しよう
カーボンクレジットは、まだ新しい市場であるため、様々な誤解や批判に晒されることもあります。
しかし、その多くは、仕組みの一部分だけを切り取った、偏った見方に基づいています。
その本質的な価値と、社会的な意義を正しく理解すること。
それが、あなた自身の貢献や投資に、自信と誇りを与えてくれるはずです。