【デジタルライフの影】動画ストリーミングは、どれだけのCO2を、排出しているのか?

はじめに:指先一つで、始まる「エネルギー消費」の、連鎖

映画や、ドラマ、スポーツ中継を、好きな時に、好きな場所で、楽しむことができる、動画ストリーミングサービス(Netflix, YouTubeなど)。

私たちの、エンターテイメント体験を、劇的に、豊かにしてくれた、このサービスが、実は、地球環境に、無視できない、負荷を、かけている、ということを、ご存知でしょうか。

以前、私たちは、インターネット全体の、カーボンフットプリントについて、学びました。

今回は、その中でも、特に、データ量が、膨大で、エネルギー消費が、大きい、「動画ストリーミング」に、焦点を当て、その、CO2排出の、実態と、私たち、ユーザーに、できることを、考えていきます。

1時間の、動画視聴の、裏側で、何が起きているのか?

あなたが、高画質(HD)の、映画を、1時間、ストリーミングで、視聴したとします。

その、快適な体験の、裏側では、膨大なデータが、世界中の、ネットワークを、駆け巡り、多くの、エネルギーが、消費されています。

  • データセンター:まず、映画の、オリジナルデータが、保管されている、データセンターの、サーバーが、あなたの、リクエストに応じて、データを、送出します。

    この、サーバーの稼働と、冷却に、多くの電力が、必要です。

  • コンテンツ配信ネットワーク(CDN):データは、世界中に、分散配置された「CDN」と呼ばれる、キャッシュサーバーに、一旦、コピーされます。

    これにより、あなたは、より、近くのサーバーから、データを、受け取ることができ、遅延なく、動画を、視聴できます。

    この、CDNの、運用にも、電力が必要です。

  • 通信網:CDNから、あなたの家の、ルーターまで、光ファイバーなどの、通信網を、経由して、データが、送られます。
  • 宅内機器と、ディスプレイ:最後に、あなたの家の、Wi-Fiルーターや、テレビ、スマートフォンといった、デバイスが、データを、受信・再生するために、電力を、消費します。

    特に、大画面で、高輝度な、ディスプレイほど、多くの電力を、必要とします。

CO2排出量は、どのくらい?

動画ストリーミングの、CO2排出量を、正確に、計算することは、非常に、複雑で、様々な、前提条件(データセンターの、エネルギー効率、電力の、再エネ比率、視聴デバイスなど)によって、大きく、変動します。

しかし、いくつかの研究では、1時間の、HD動画ストリーミングで、約50〜60グラム程度の、CO2が、排出される、と、試算されています。

これは、一見、小さな数字に、見えるかもしれません。

しかし、もし、世界中の、何億人もの人々が、毎日、何時間も、利用するとしたら、どうでしょうか。

その、総量は、一つの国の、排出量に、匹敵するほどの、莫大なものに、なるのです。

私たち、ユーザーに、できること

では、私たちは、エンターテイメントを、楽しみながら、この、環境負荷を、どう、減らしていけば、良いのでしょうか。

  1. 画質を、少しだけ、下げる:常に、最高の画質(4Kなど)で、視聴するのではなく、時には、標準画質(SD)に、設定を、変更してみましょう。

    特に、スマートフォンのような、小さな画面では、画質の差は、それほど、気にならないかもしれません。

    データ量を、減らすことが、最も、効果的な、削減策です。

  2. ダウンロード機能を、活用する:何度も、繰り返し、見たいコンテンツは、Wi-Fi環境下で、一度、端末に、ダウンロードしておきましょう。

    毎回、ストリーミングするよりも、ネットワークの、エネルギー消費を、抑えることができます。

【2025年市場レビュー】今年のカーボンクレジット市場、3つの重要トレンドを振り返る

はじめに:変化の激流の中で、私たちは、どこにいるのか

2025年も、残すところ、あとわずかとなりました。

今年の、ボランタリー・カーボンクレジット市場もまた、まさに「激動」の一年でした。

新しい技術の台頭、国際的なルールの進展、そして、市場の「質」を問う、厳しい視線。

今回は、2025年の市場を、動かした、最も重要な「3つのトレンド」を、振り返り、私たちが、今、どこに立っているのか、その現在地を、確認してみたいと思います。

トレンド1:「質の追求」の、本格化 – “Flight to Quality”

今年、最も、明確になったトレンドは、市場参加者の、「質の高い」クレジットへの、強い希求、いわゆる “Flight to Quality(質への逃避)” でした。

  • 背景:昨年から、相次いで報じられた、一部のREDD+プロジェクトなどに対する、グリーンウォッシュ批判や、効果への疑問。これらを受けて、企業は、自社のオフセットが、レピュテーションリスク(評判の毀損リスク)に、なることを、極度に、恐れるようになりました。
  • 起きたこと

    価格の二極化:信頼性の高い認証(Gold Standard, Verra+CCBなど)を受け、コベネフィットが明確で、MRV(測定・報告・検証)が、堅牢なプロジェクトのクレジット価格が、高止まりする一方で、品質に、少しでも疑問符の付く、クレジットの価格は、大きく下落し、買い手がつかない、という、価格の「二極化」が、鮮明になりました。

    格付け機関の台頭:Sylveraや、BeZero Carbonといった、独立系の格付け機関の評価が、企業のクレジット選定において、重要な判断基準として、広く、参照されるようになりました。

  • 意味すること:もはや、「安ければ良い」という時代は、完全に、終わりました。

    これからは、プロジェクトの「品質」と「透明性」こそが、その価値を、決定づける、唯一の、絶対的な基準となります。

トレンド2:「除去(リムーバル)」クレジットの、離陸

SBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)などが、「排出削減(リダクション)」と、「炭素除去(リムーバル)」の、役割の違いを、明確にしたことを、背景に、今年は、「除去」クレジット市場が、本格的に「離陸」した元年、と言えるでしょう。

  • 背景:企業のネットゼロ目標達成のためには、削減努力の補完として、「除去」クレジットの活用が、不可欠である、という認識が、グローバル企業の間で、急速に、広がりました。
  • 起きたこと

【深掘り解説】炭素除去(リムーバル)と排出削減(リダクション)の違い

はじめに:同じじゃない!クレジットの「中身」を知ろう

カーボンクレジットと一括りに言っても、その「中身」、つまりCO2に対してどうアプローチしたかによって、大きく二つの種類に分けられます。

それが「炭素除去(リムーバル)」と「排出削減(リダクション/アボイダンス)」です。

この違いを理解することは、より本質的な気候変動対策に貢献し、将来の価値を見極める上で非常に重要です。

今回は、この二つの違いを分かりやすく解説します。

排出削減(リダクション/アボイダンス)クレジットとは?

こちらは、「本来であれば排出されるはずだったCO2を、未然に防いだ」ことに対するクレジットです。

「回避(Avoidance)」とも呼ばれます。

  • 具体例

    ・再生可能エネルギープロジェクト:もしこの太陽光発電所がなければ、化石燃料で発電していたはず。

    その「防げた」排出量をクレジット化します。

    ・森林保護プロジェクト:もしこのプロジェクトがなければ、この森林は伐採されていたはず。

    その「守った」炭素量をクレジット化します。

    ・高効率コンロの普及:もしこのプロジェクトがなければ、人々は薪を燃やし続けていたはず。

    その「節約できた」排出量をクレジット化します。

  • 特徴:現在のカーボンクレジット市場の大部分を占めており、比較的安価なものが多いです。

炭素除去(リムーバル)クレジットとは?

こちらは、「すでに大気中に存在しているCO2を、積極的に吸収・除去した」ことに対するクレジットです。

  • 具体例

    ・植林・再植林プロジェクト:木を植え、成長させることで、大気中のCO2を吸収させます。

    ・ブルーカーボン:マングローブ林の再生など、海洋生態系の力でCO2を吸収・固定します。

    ・DAC(直接空気回収):化学的な技術を使って、大気中のCO2を直接回収し、地中などに貯留します。

  • 特徴:排出を防ぐだけでなく、過去に排出されたCO2を減らす「マイナス」の効果があるため、より本質的な解決策として近年非常に注目されています。

    特に技術ベースの除去はコストが高く、クレジットの価格も高価になる傾向があります。

どちらが重要?個人投資家はどう見るべきか

気候変動を食い止めるためには、排出を「減らす」努力と、すでに増えすぎたCO2を「取り除く」努力、その両方が不可欠です。

したがって、どちらのクレジットが優れているというわけではありません。

ただし、投資の観点からは、以下のような視点も持てます。

  • 将来性:多くの科学者や企業が、将来的に「除去(リムーバル)」の重要性が増すと指摘しています。

    Microsoft社のように、購入するクレジットを100%除去型に移行すると宣言する企業も出てきており、将来的な需要の伸びは除去型の方が大きい可能性があります。

  • 価格

ファッション好き必見!おしゃれと環境貢献を両立させるには?

はじめに:その一着が、地球の未来を変えるかも

新しい服を買う時のワクワク感は、何物にも代えがたいものです。

しかし、その一方で、ファッション産業は、石油産業に次いで環境負荷が大きい産業の一つだとも言われています。

「おしゃれは楽しみたい、でも環境問題も気になる」。

そんなジレンマを抱えるファッション好きのあなたへ、カーボンクレジットを活用して、おしゃれと環境貢献を両立させる方法を提案します。

ファッションが環境に与える影響

一着の服が私たちの手元に届くまでには、多くのエネルギーが使われ、CO2が排出されています。

  • 原料の生産:綿花の栽培には大量の水と農薬が、ポリエステルなどの化学繊維の生産には石油が必要です。
  • 製造・加工:生地の染色、縫製、加工の過程で、多くの電力と水が消費されます。
  • 輸送・販売:生産国から消費国へ、そして店舗へと、世界中を旅する過程でCO2が排出されます。
  • 廃棄:ファストファッションの台頭により、衣服の大量生産・大量廃棄が深刻な問題となっています。

    焼却されればCO2が、埋め立てられれば有害物質が土壌を汚染する可能性があります。

おしゃれ好きが、まず実践したい3つのアクション

カーボンクレジットの話の前に、まずは日々の選択で排出量を減らす(リデュースする)意識が大切です。

  1. 一着を長く大切に着る:流行を追いかけるだけでなく、質の良い、本当に気に入った服を、手入れをしながら長く着ること。

    これが最も効果的なアクションです。

  2. サステナブルな素材を選ぶ:オーガニックコットンやリサイクルポリエステルなど、環境負荷の少ない素材から作られた服を意識的に選んでみましょう。
  3. 古着やレンタルサービスを活用する:新しい服を買う代わりに、古着店やフリマアプリ、ファッションレンタルサービスを利用することで、一着あたりの環境負荷を大幅に下げることができます。

ファッションの「環境コスト」をオフセットする

これらのアクションを実践した上で、それでも新しい服を買う楽しみは捨てがたいもの。

そこで、カーボンクレジットの出番です。

例えば、「今年は新しい服を5着買ったから、その生産・輸送にかかったであろうCO2排出量を計算して、オフセットしてみよう」という考え方です。

厳密な計算は難しいですが、例えば「Tシャツ1枚のカーボンフットプリントは約7kg」といった目安を参考に、大まかな量を算出して、その分のクレジットを購入します。

購入するクレジットとして、例えば、発展途上国で廃棄された衣類をリサイクルするプロジェクトや、工場のエネルギー効率を改善するプロジェクトなどを選べば、あなたの貢献がファッション産業の課題解決に直接繋がります。

まとめ:責任ある選択が、あなたをより輝かせる

サステナブルな視点を持って服を選ぶこと。

そして、自分の消費に対して、カーボン・オフセットという形で責任を持つこと。

それは、あなたの内面的な美意識を高め、ファッションをより深く、知的に楽しむことにも繋がります。

環境への配慮という新しい「スパイス」は、あなたのスタイルを、より一層魅力的に輝かせてくれるはずです。…

【比較】各国の炭素価格、その違いはなぜ生まれる?日本の現在地は?

はじめに:CO2の「値段」、あなたの国では、おいくらですか?

「カーボンプライシング(炭素への価格付け)」の重要性が、世界中で、認識される中、その具体的な「値段」は、国や、地域によって、驚くほど、大きな差があります。

例えば、スウェーデンの炭素税は、1トンあたり、100ユーロを超える、高い水準である一方、多くの国では、まだ、数ユーロ程度に、留まっています。

なぜ、これほどまでに、CO2の「値段」は、異なるのでしょうか?

そして、日本の「炭素価格」は、世界の中で、どのような位置にいるのでしょうか。

今回は、各国の炭素価格の違いと、その背景にある、経済的・政治的な事情について、比較・解説します。

炭素価格を、決定する、主な要因

各国の炭素価格の水準は、主に、以下の要因の、複雑な組み合わせによって、決まります。

1. 政策目標の「野心度」

その国が、どれだけ、野心的な、CO2削減目標を、掲げているか。

これが、最も、基本的な決定要因です。

EUのように、「2030年までに、55%削減」といった、非常に高い目標を、法律で定めている地域では、その目標を達成するために、企業に対して、高い炭素価格を、課す必要が出てきます。

2. 経済への「影響」への配慮

炭素価格の導入は、エネルギー価格の上昇などを通じて、その国の、産業の国際競争力や、国民の生活に、短期的な「痛み」を、もたらす可能性があります。

特に、製造業への依存度が高い国や、エネルギーを、輸入に頼っている国では、産業界からの、強い抵抗が予想されるため、政府は、炭素価格を、低めに設定する、という、政治的な判断を、下しがちです。

3. エネルギー構成(電源構成)

その国が、どのような、エネルギー源に、依存しているかも、重要な要素です。

フランスのように、原子力発電の比率が高く、もともと、電力部門のCO2排出量が少ない国では、高い炭素価格を導入しても、経済への影響が、比較的小さく、導入のハードルが低くなります。

一方で、石炭火力への依存度が高い国では、高い炭素価格は、電力料金の、急激な高騰に、直結するため、慎重な判断が、求められます。

4. 国民の「支持」と「理解」

最終的に、炭素価格の導入と、その水準を、決定するのは、国民の、政治的な支持です。

北欧諸国のように、環境問題への、国民の意識が、非常に高く、政府への信頼も厚い国では、高い炭素税に対しても、国民的なコンセンサス(合意)が、得られやすい、という背景があります。

また、炭素税の税収を、社会保障の充実や、低所得者層への還付に、充てるなど、国民の理解を、得るための、工夫も、重要になります。

日本の「現在地」は?

では、日本の炭素価格は、世界的に見て、どのようなレベルにあるのでしょうか。

残念ながら、2024年現在、日本の、明示的な炭素価格(地球温暖化対策税など)は、1トンあたり、数百円程度と、国際的に見て、極めて低い水準にあります。

これは、上記で述べた、産業界への配慮や、エネルギー構成の問題などが、背景にあると考えられます。

しかし、政府は、「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」政策の中で、今後は、本格的な、カーボンプライシングの導入を、段階的に、進めていく方針を、示しています。

具体的には、「排出量取引制度」と、「化石燃料の輸入事業者に対する、賦課金」を、組み合わせた、日本独自の制度の導入が、検討されています。

まとめ:価格差に、各国の「事情」が見える

各国の炭素価格の違い。

それは、単なる数字の差、というだけではありません。…

カーボンフットプリント計算ツール活用法|自分の排出量を知ろう

はじめに:見えないモノを「見える化」する第一歩

「自分の生活って、一体どれくらい地球に負荷をかけているんだろう?

」。

環境問題を意識し始めると、誰もが一度はそんな疑問を抱くのではないでしょうか。

その、目に見えない環境負荷を、CO2という共通の単位で数値化してくれる便利な道具が「カーボンフットプリント計算ツール」です。

今回は、このツールの基本的な使い方と、計算結果をどう活かせば良いのかを解説します。

自分を知ることが、全ての変化の始まりです。

カーボンフットプリントとは?

カーボンフットプリント(Carbon Footprint)とは、直訳すると「炭素の足跡」。

個人や団体、商品などが、そのライフサイクル全体を通じて、大気中に排出した温室効果ガスの量を、CO2の量に換算して表したものです。

私たちの日常生活における、あらゆる行動の「環境負荷の大きさ」を示す指標と言えます。

計算ツールの使い方

ウェブ上で「カーボンフットプリント 計算」などと検索すれば、環境省や自治体、企業などが提供する、様々な無料の計算ツールが見つかります。

多くは、質問に答えていくだけで、簡単に計算できる仕組みになっています。

主に、以下のような項目について入力していきます。

  • 住まいについて:お住まいの家のタイプ(戸建て、マンション)、電気や都市ガス、プロパンガス、灯油などのエネルギーの月間または年間の使用量(検針票などで確認できます)。
  • 移動について:自家用車の燃費や年間走行距離、電車やバス、飛行機などの公共交通機関の利用頻度や距離。
  • 食生活について:肉を食べる頻度、国産品を意識しているかなど(詳細なツールの場合)。
  • 消費・廃棄について:衣服や日用品の購入金額、ゴミの量など。

全ての項目に正確に答えられなくても、まずは分かる範囲で入力してみましょう。

日本の平均的な一人当たりの年間CO2排出量は約7トンと言われています。

あなたの結果は、平均と比べてどうだったでしょうか?

計算結果の活用法

さて、自分のカーボンフットプリントが分かったら、それをどう活かすかが重要です。

1. 排出量の「内訳」に注目する

合計値だけでなく、どの項目からの排出が特に多いのか、その内訳を見てみましょう。

「思ったより、ガソリンからの排出が多いな」「やはり電気の使用量が一番の原因か」。

自分のライフスタイルの、どこに改善の余地があるのかを発見できます。

2. 具体的な削減アクションに繋げる

課題が見えたら、具体的なアクションプランを立てます。

「車での移動を、週に一回は自転車に変えてみよう」「エアコンの設定温度を1度見直してみよう」。

小さなことで構いません。…

【レジストリ入門】Verra, Gold Standard, Puro.earthの違いとは?

はじめに:クレジットの「戸籍簿」を、見比べてみよう

カーボンクレジットの取引の信頼性を支える、最も重要なインフラ。それが、クレジットの発行・移転・無効化の全てを記録するデータベース、「レジストリ」です。

これは、いわばクレジットの「戸籍簿」や「登記簿」のようなもの。

主要な認証機関は、それぞれ独自のレジストリを運営しており、その特徴も少しずつ異なります。

今回は、代表的な3つのレジストリ「Verra」「Gold Standard」「Puro.earth」の違いを比較し、その役割の重要性を解説します。

1. Verra Registry:世界最大・最もスタンダードな登録簿

  • 運営組織:Verra(ベラ)
  • 特徴:世界で最も取引量の多い「VCS(Verified Carbon Standard)」プログラムの公式レジストリです。

    登録されているプロジェクト数、発行されているクレジット量ともに最大で、市場のデファクトスタンダード(事実上の標準)となっています。

    森林保全(REDD+)から再生可能エネルギー、工場での排出削減まで、ありとあらゆる種類のプロジェクトが登録されています。

  • ポイント:VCSだけでなく、コベネフィットを認証する「CCB Standards」や「SD VISta」の認証状況も、このレジストリで確認できます。

    まずは、このVerra Registryのサイトで、プロジェクトを検索してみるのが、市場の全体像を掴むための第一歩と言えるでしょう。

2. Gold Standard Impact Registry:品質とSDGsへの貢献を重視

  • 運営組織:Gold Standard(ゴールドスタンダード)
  • 特徴:その名の通り、「ゴールド(金)」基準の品質を追求するレジストリです。

    登録のためには、厳格なCO2削減効果の証明に加えて、プロジェクトがSDGs(持続可能な開発目標)へ、どのように貢献するかを具体的に示す必要があります。

    そのため、地域社会への貢献や、健康・教育への配慮といった、コベネフィットの情報が豊富に記載されているのが特徴です。

  • ポイント:プロジェクトの質を特に重視したい、CO2削減だけでなく、より幅広い社会貢献に関心がある、という投資家は、このレジストリを中心に情報を探すと、共感できるプロジェクトに出会いやすいでしょう。

3. Puro.earth Registry:「炭素除去(リムーバル)」に特化した登録簿

【企業の気候変動対策】「移行計画(Transition Plan)」とは?その、重要性と、読み解き方

はじめに:その「ネットゼロ宣言」、口先だけでは、ありませんか?

今や、世界中の、多くの企業が、「2050年までに、ネットゼロを、達成します」と、高らかに、宣言しています。

しかし、その、遠い未来の、目標を、達成するために、「いつまでに」「何を」「どのように」実行していくのか、その、具体的で、信頼性のある「道筋」が、示されていなければ、その宣言は、単なる「絵に描いた餅」に、過ぎません。

そこで今、投資家や、規制当局が、企業に対して、強く、開示を、求めているのが、「移行計画(Transition Plan)」です。

これは、企業の、ネットゼロへの「本気度」を、見極めるための、最も、重要な、設計図です。

今回は、この「移行計画」とは、何か、そして、その、どこを、読めば、企業の、真の姿が、見えるのかを、解説します。

移行計画とは、何か?

移行計画とは、企業が、その事業戦略を、パリ協定の目標と、整合する形で、低炭素・脱炭素社会へ「移行」させていくための、具体的で、時間軸を伴った、行動計画のことです。

それは、単なる、環境部門の、計画では、ありません。

研究開発、設備投資、サプライチェーン管理、ガバナンス、財務戦略といった、企業の、経営戦略そのものと、深く、統合されている、必要があります。

英国などが、先進的に、その開示を、義務化し始めており、国際的な、サステナビリティ開示基準(ISSB基準など)においても、その、重要性が、強調されています。

移行計画の、5つの、重要チェックポイント

企業の、移行計画を、評価する際には、以下の、5つの要素が、含まれているかを、チェックしましょう。

1. 明確な「目標」と、その「根拠」

  • チェックポイント

    ・短期(〜2025年)、中期(〜2030年)、長期(〜2050年)の、具体的な、温室効果ガス削減目標(Scope 1, 2, 3を含む)が、設定されているか?

    ・その目標は、SBTiなどの、第三者機関から、「科学的根拠に基づく」という、認定を、受けているか?

2. 具体的な「アクションプラン」

  • チェックポイント

    ・目標達成のために、具体的に、どのような、アクションを、起こすのか?

    (例:再生可能エネルギーへの、切り替え、省エネ技術への、設備投資、電気自動車(EV)への、社用車の、転換、サプライヤーへの、働きかけなど)

    ・それぞれの、アクションに、具体的な、タイムラインと、KPI(重要業績評価指標)が、設定されているか?

3. 戦略と、整合した「財務計画」

  • チェックポイント

【企業事例】Shopifyは、なぜ「未来の炭素除去」に、先行投資するのか?

はじめに:Eコマースの巨人が、描く、壮大な「地球の未来図」

世界中の、数百万の、オンラインストアを、支える、Eコマースプラットフォームの巨人、「Shopify(ショッピファイ)」。

同社は、自社の事業活動を、カーボンニュートラル化する、という、レベルに、留まらず、気候変動問題の、根本的な解決のために、非常に、ユニークで、先進的な、貢献を、行っていることで、知られています。

その、中心にあるのが、「サステナビリティ基金」を通じた、「フロンティア(未開拓)領域の、炭素除去(カーボンリムーバル)技術への、先行投資」です。

今回は、Shopifyの、野心的な取り組みから、未来の市場を「創る」とは、どういうことか、その、本質を、学びます。

Shopifyの「サステナビリティ基金」とは?

Shopifyは、毎年、基金を設立し、気候変動の、最も、有望な解決策に対して、資金を、提供しています。

その、投資先の選定には、明確な「哲学」があります。

それは、「今、市場に、存在する、安価な、カーボンクレジットを、購入するだけでは、未来は、変わらない」という、強い信念です。

彼らが、投資対象として、選ぶのは、まだ、商業化されていなかったり、コストが、非常に高かったりするけれど、将来、地球規模で、気候変動を、逆転させる、ポテンシャルを秘めた、「最先端の、炭素除去ソリューション」です。

Shopifyが、支援する、未来のテクノロジー

Shopifyの基金は、これまでに、以下のような、多種多様な、フロンティア技術を、支援してきました。

  • DAC(直接空気回収):大気中から、CO2を、直接、回収する、様々な、スタートアップ企業に対して、その、初期の顧客となり、クレジットを、先行購入することで、技術開発を、後押ししています。
  • バイオオイルによる、炭素貯留:農業廃棄物などを、熱分解して、生成した「バイオオイル」を、地下深くに、注入し、炭素を、半永久的に、固定する、という、新しい技術。
  • 海洋での、炭素除去:海藻(ケルプ)を、大規模に、養殖し、それを、深海に、沈めることで、炭素を、隔離する、という、ブルーカーボンプロジェクト。
  • 岩石風化の、促進:特定の種類の、岩石を、細かく砕き、農地に、散布することで、岩石が、大気中のCO2と、化学反応を、起こす「風化」のプロセスを、人工的に、加速させ、炭素を、固定化する技術。

なぜ、Shopifyは、そこまで、するのか?

一見すると、Eコマースという、本業とは、直接関係のない、これらの活動。

Shopifyが、これほどまでに、未来の技術に、先行投資する、その動機は、何なのでしょうか。

1. 長期的な、視点

Shopifyは、自らを「100年企業」として、位置付けています。

気候変動が、このまま、進行すれば、社会や、経済が、不安定化し、100年どころか、数十年先も、ビジネスを、継続することは、困難になります。

気候変動対策は、コストではなく、自社の、長期的な、存続のための、必要不可欠な「投資」である、と、考えているのです。

2. 市場を「創造」する、という、起業家精神

【付録】カーボンクレジット・サステナビリティ関連・重要用語集 A to Z

はじめに

この連載を通じて、私たちは、非常に多くの、専門用語に、出会ってきました。

この最終回に、寄せて、これまでに登場した、特に、重要な、キーワードを、アルファベット順の「用語集」として、まとめました。

あなたの、知識を、整理し、いつでも、参照できる「辞書」として、ご活用ください。

重要用語集 A to Z

A
Additionality(追加性):クレジットの収入がなければ、そのCO2削減プロジェクトは、実施されなかった、と言えるかどうか、という、品質の、最重要基準。
Adaptation(適応):避けられない、気候変動の、影響に対して、社会や、生態系を、調整し、被害を、最小化する、取り組み。
AFOLU (Agriculture, Forestry and Other Land Use):農業・林業・その他土地利用。NCS(自然を基盤とした解決策)の、主要な、プロジェクト分野。
B
Baseline Scenario(ベースラインシナリオ):CO2削減量を、計算する際の、基準となる「プロジェクトが、なかった場合の、排出量予測」。
Biodiversity(生物多様性):生態系、種、遺伝子の、多様性のこと。

カーボンプロジェクトの、重要な、コベネフィットの一つ。

Blended Finance(ブレンデッド・ファイナンス):公的資金を、呼び水として、民間の、開発投資を、促進する、資金調達手法。
Blue Carbon(ブルーカーボン):マングローブ林や、藻場など、海洋生態系によって、吸収・貯留される、炭素。
C
Carbon Neutral(カーボンニュートラル):CO2排出量を、オフセットなどにより、差し引き、ゼロにすること。
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